活動報告
11/5~11/8 フィリピンスタディツアー報告~障がい者支援の現場を知る~
2017/11/5~11/8、フィリピンにおける障がい者支援の現場を知る、スタディツアーを開催しました。
このスタディーツアーは、フィリピンでの障がい者のおかれている状況や福祉活動の状況を知ることで、日本での国際支援活動や福祉支援活動に活かせることを探ることを目的とし、10名の端数倶楽部会員が参加をしました。
本スタディーツアーの概要報告を下記の通りさせていただきます。
活動スケジュール
- 11/5(1日目):出国 (成田発ーマニラ経由ーイロイロ着)
- 11/6(2日目):障がい者支援施設見学
- 11/7(3日目):障がい者支援に取組む青年海外協力隊員と意見交換、ギマラス島観光
- 11/8(4日目):帰国 (イロイロ発-マニラ経由-成田着)
訪問地
- パナイ島の南岸に位置するイロイロ市(人口は約40万人でフィリピンで9番目に人口の多い都市)。
活動概要
障がい者支援施設見学
- 活動2日目の朝、障がい者団体を訪問すると、サプライズの歓迎セレモニーで出迎えてくれました。聴覚障害のある方のダンスや手話、普段使い慣れていない英語で気持ちを伝えようとしてくれる姿に感動しました。
障がい者生計向上、野菜クレヨンプロジェクトの見学
- 富士ゼロックスを休職し、青年海外協力隊に参加している隊員が生計向上のために新たに始めたプロジェクトである、野菜クレヨンプロジェクトを見学しました。
フィリピン現地で取れるフルーツ、野菜、花を原料に、日本のクレヨンメーカーや大学生との協力により、野菜クレヨンを製作しています。プロジェクトを始めた隊員からは、今後は製作した野菜クレヨンの販路開拓が課題との意見がありました。 - 販売ターゲット、販売チャネル、どのように販売していくのか、継続的な活動とするためにはどうすれば良いかが検討課題。
日本からサポートを検討したいという参加者からの意見がありました。
山奥の移動に困難を抱えている障がい者の自宅見学
- 足の不自由な車椅子の女性グレースの自宅を訪問し、話を伺いました。
玄関前の道路は舗装されておらず、玄関には階段があり、車椅子ではとても移動が出来ない環境に住んでいますが、トライシクル(現地のタクシー)のドライバーが担いで家に上げてくれるという話を伺いました。 - 日本のようなバリアフリーへの取組みは進んでいないフィリピンですが、フィリピンの障がい者の方々は、日本では薄れている家族の強い絆や周りの人と助け合いの精神・文化により、活き活き生活をしているように感じました。
- ただし、昔から、障がい者に対する差別や偏見がなかったわけではありません。グレースも高校までは、差別や偏見により、引きこもりの生活をしていました。
5年前にJICAが障がい者団体を設立し、そして、彼ら自身の努力により、外に出るようになり、権利の主張活動をすることで、障がい者の方々が町に受け入れられるようになってきています。
青年海外協力隊員との意見交換
- フィリピンで障がい者支援に携わっている青年海外協力隊員6名の方にお越しいただき、意見交換を行いました。6名の隊員の方々は、日本では現役の教師、役所で働く公務員の方々。
- 隊員の皆さんが障がい者支援、開発途上国支援に取組む強い想いや、苦労しながらも活動をする行動力に感動、刺激を受け、私たちも元気をもらいました。
- 民間企業で働く私たち、現職で青年海外協力隊に参加している教師、公務員の話し合いは、それぞれの異なる視点での意見交換となり、新しい価値観や考え方に出会える、有意義な話し合いでした。
- 一方、協力隊の2年の活動が終わった後、その努力がなくなってしまうのは、非常にもったいないと感じました。
帰国後、隊員活動を通じて得られた経験や問題意識を活かした活動、たとえば、情報発信や組織としての活動をしてはどうか、また、JICA組織としても2年で終わらない、継続性のある活動をすることにお金を使うべきではないかなど、参加者からの意見がありました。
ギマラス島観光
- 活動3日目の午前には、青年海外協力隊員との意見交換までの空き時間を使い、ギマラス島観光をしました。
イロイロ市から船で片道1時間のギマラス島は、綺麗なビーチが有名で、参加者は各自、シュノーケティングやビーチ散策を楽しみました。
今後について
国内の障がい者支援施設訪問
- スタディーツアーの事前学習企画として、日本の障がい者支援施設の訪問を計画していましたが、10月中の訪問は訪問先施設と調整がつかなかったため、後日12月~1月に、国内の障がい者支援施設の訪問を計画中です。
フォローワークショップ
- スタディーツアーで得られた気付きを活かし、日本で私たちが出来る支援を行うため、スタディーツアーの参加者を対象に、1月にワークショップを開催します。
ワークショップのテーマは、障がい者の生計向上における野菜クレヨンプロジェクトの課題である、販路開拓支援をテーマに、参加者で検討をしたいと思います。