海洋プラスチック問題講演会 ~ たったの2%しか同質でリサイクルできていない?!
講演会「今、世界で起きている『海洋プラスチック』の問題を知る」を開催しました。
当日は、WWFジャパンから講師の方をお迎えし、大学の環境サークルでビーチクリーンなどの活動を行っている大学生の皆さんも含め、約20名の方々にお集まりいただきました。
■開催日時: 11/22(金)18:15~19:30
■開催場所: 六本木ティーキューブ セミナールーム
■参加者 : All-FX社員/OB 9名、都内大学の環境サークルの学生9名
まず、大学生の環境サークル代表の方から、取り組みの紹介。山の中でのアスレチックなどレジャー活動を通じて自然環境への意識を高めながら、自分たちにできることを考え、大学周辺や海岸の清掃活動を行っているとのことでした。「一人ひとりの行動で、世界の環境を変えられる」という、次世代を担う若者からの力強い言葉に、参加者一同頷いていました。
次に、端数倶楽部から、10月に実施した「石垣・西表島の自然保護ボランティア」について報告。石垣島では、サンゴの海で岩礁に絡みついていた漁網やロープを取り除く作業を、西表島では、ビーチに際限なく打ち寄せるプラスチックごみを拾う作業を行ったことがたくさんの写真と共に報告され、海洋ごみの問題が想像以上に深刻であることを確認しました。
この報告を受けて、なぜこのようなことになっているのか、今後どうすればよいのか、WWFジャパン プラスチック政策マネジャーの三沢様より、ご講演いただきました。
<講演資料抜粋>
世界のプラスチック生産量は過去50年で20倍。プラスチックごみは回収・リサイクルされているように見えますが、実際には同質でリサイクルできている容器包装プラごみは世界でわずか2%。全体の3割は自然界に漏出しており、このままでは2050年には海でのプラスチックが魚の重量を超えることになってしまいます。
また、それらのプラスチックごみは、劣化や破損で小さな粒子(マイクロプラスチック)となり、食物連鎖により私たちの体内にも取り込まれています(ヒトは毎週5gのプラスチックを摂取していると言われています)。
日本では、廃棄されるプラスチックの有効利用率が86%で進んでいるとされていますが、その処理方法は主に「サーマルリカバリー」という焼却による熱回収に頼っています。熱回収では、化石燃料を燃やしてCO2を排出するため、長期的な地球温暖化への影響まで含めて見たときには、持続可能な方法とは言えません。
最後に、この問題について私たちができることは何か、参加者全員で考えました。レジ袋をもらわなくてすむ仕組みなどを始めとして、少しでもプラスチックの消費を減らす努力が必要といった意見が出されました。そして、知らなかったことや誤解していたことが沢山あったことがわかったので、まずは今、何が起きているのかを「知る」ことが大切である、との認識を共有しました。
<参加した皆さんのコメント>
- 周辺のアジア諸国から大量のペットボトルが流れ着いている事実に悲しい気分になりました。
端数倶楽部の活動に感動しました。 - 世界の現状を数値で説明していただき、大変分かりやすく勉強することができました。
普段の暮らしから、プラスチックの取り扱いに関して変えることができたらと思います。 - すでに人間がマイクロプラスチックを摂取していることや、プラスチック問題について日本の取り組みがあまり進んでいないことに驚いた。
- 今の石油からのプラスチックをバイオプラスチックに変えてしまえば問題はないだろうと思っていたが、そうではないことが分かった。
- 正確な情報を知ることが大切だと感じた。
- たくさんの気づきを得ることができました。
- 自分にできることを見つけ発信していきたいです。
端数倶楽部では、今後も、自分たちの新たな気づきやアクションにつながるような企画を考えていきます。
小さなことでも、できることから始めていきたいと思いますので、ぜひお気軽にご参加ください。