一部の情報は、2021年3月までの旧社名を含めて当時のまま掲載しています。
 
自然部会

【報告】小笠原の環境維持・保全に関わるボランティア


ユネスコ世界自然遺産の小笠原諸島は今まで一度も大陸と陸続きになったことがない海洋島。
そのためここでは独自の進化を遂げた希少な固有種が美しい自然の中で暮らしていました。
今この環境が外来種(植物、生物)及び自然災害によって脅かされています。
今回、NPO野生生物研究会の自然保護活動と小笠原グリーンのCSR活動に端数倶楽部15名が参加しました。

■8月2日:小笠原世界遺産センターにて講義

小笠原世界遺産センターで自然保護の取り組みについて学びました。外来種の侵入により生態系が大きく崩れて問題になっていますが、様々な組織の努力でこれ以上崩れないよう、取り組みがなされていることを知りました。

【講義内容】
・環境省:小笠原の環境保全の取り組み
・小笠原グリーン:TWR活動を始めた経緯とビジョン、活動内容の紹介
・野生生物研究会:外来種駆除ボランティアについての注意点

■8月3日:外来植物の駆除作業

作業場所:東平アカガシラカラスバトサンクチュアリー

立ち入りには特別な許可のいる東平アカガシラカラスバトサンクチュアリーにおいて、林野庁様、小笠原野生生物研究会様の指導のもと、南米原産の樹木、キバンジロウの駆除を行いました。キバンジロウは明治後期食用に持ち込まれたものです。鳥やオガサワラオオコウモリなどによる種子散布で分布が拡大、短期間で鬱蒼とした茂みを形成し、小笠原の固有種を排除しています。耐陰性、耐乾性、耐塩性もあり、台風にも強い侵略的外来種です。

■8月4日午前:TWR森作り活動

洲崎村民の森で小笠原グリーン様と大学生インターン、島の小中学生の皆さんにお世話になりTeam Wood Recycle(TWR)森作り活動を実施しました。洲崎の森は9割以上が外来種のギンネム、シマグワ、アカギに占領されています。抜根作業をして、空いた穴に在来種のモモタマナやオオハマボウの苗を植えました。TWRは外来種を利用しながら小笠原らしい森林、コウモリの餌場となるような森林を目指すプロジェクトです。ゆっくりと植生を戻していく低コストの持続可能な森作りです。

■8月4日午後:TWR木工体験

送電線周りの樹木管理で出たバイオマス資源を有効活用してワークショップを行うほか、楽器を作るアップサイクルも行っています。今回はテリハボク(タマナ)を製材してカッティングボードを作成しました。

8月4日のTWR活動をまとめた動画を小笠原グリーンのインターン学生が作ってくださいました。
ぜひご覧ください。
https://youtu.be/6X8fvzbgIaw 

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■参加者の感想

  • 定年後の生き方について考えてみたくなった。もっと社外(FF含む)にアピールしても良いのかなとも思います。

  • 自然保護、社会貢献、人との繋がり、色々な意味で学びが多い企画でした。後世に残して行かなければならないものは沢山あること、自分も将来的にこのような活動に関わって行きたいと感じました。社会と関わる企業として、もっともっと端数倶楽部のような活動を広げていくべきものだと感じた。

  • 少ない滞在日数で、無駄なく活動スケジュールが組まれていて素晴らしいと思いました。また、現地の島民の方と触れ合えるのも素敵な体験でした。

  • 和田さんの生きざまをみて将来的に好きなことをしながら暮らすのもありだなと思いました。和田さんがすごく小笠原の良さを伝えようとしているのがすごくよかったと思います。今後も小笠原ボランティア活動ができるよう上手く事業継承ができればよいと思います。良い活動をしているのでもっと内外に向けてPR活動をした方が良いと思います。

  • 限られた日程にも関わらず効率の良い活動ができ、更に地元の皆様の交流の時間も充分に確保頂けました。貴重な経験を積ませて頂き、関係者の皆様には非常に感謝しています。絶滅危惧種や固有種の保護と増殖に真剣に取り組むことが必要だ思いました。また、往復の船内や島での暮らしを通じ、正に人生感が変わるような思いをしました。日常の忙しさにかまけて忘れていた大切ものが沢山あったのだと気づかされました。和田さんをはじめ、小笠原グリーンの皆様には感謝しかありません。

  • 事前情報やオンラインだけでは知りえなかった体験が現地でできた。世界自然遺産の島を30年、50年、100年の単位で再生していくことの重要性を感じた。活動場所にトイレがあると、より安心して活動できると思った。

  • このような機会が無ければ小笠原へは行くことが無かったと思う。環境保護に関して興味はあったが、実際の活動の中で、真剣に取り組む方に接することができ、より身近な活動として捉える様になった。日程にもよりますが、ボランティア活動の比重がもっとあっても良いと思う。今回の参加で端数倶楽部の活動が支援団体のお役に立っている事を真摯に感じた。

  • イベントの内容や意義、関係者の皆さんの気持ち行動全てに感動した。環境問題や自然保護の大切さを改めて感じ、それらを全力で守っていこうと働いている人たちを目の当りにし、少しでも自分のできる範囲で協力していきたいと思った。小笠原グリーンという素晴らしい考え方を持ったところと一緒に活動できたことは素晴らしい。今後も長くこの活動を支援し協力していくべきだと感じた。今回のイベントは環境庁や林野庁等国の機関も関係しており、洲崎村民の森は目の前に海があり亀が産卵に来るなど素晴らしい場所でこの森を守っていく事は非常に意味のあることだと思う。特に女性が活動しやすくなるよう簡易トイレなどの設置(端数倶楽部の名前とロゴを入れてもらう)を最初に行えばFFBI端数倶楽部の知名度向上に大きく貢献出来るのではないかと思う。

  • 世界自然遺産地区におけるボランティア活動であり、一般では立ち入りが出来ない場所での活動は特別感がある。地元で活動に参加されている方が、外来種樹木の駆除に苦労されている事が良く分かった。環境保護に対して環境省・林野庁・都庁などが関与しているが、環境保全整備は満足に出来ておらず、ボランティアによる活動の重要性を再認識した。個人の生き方として、こういった価値の高いボランティア活動に関われた事を誇りに思う。

  • 今後も継続して環境保全活動に取り組みたい。小笠原の活動について、ボランティア活動場所にトイレがなくトイレ設置は最低限必要と思う。また日差しが強くテントで休憩をしたが、強風時などはテント設営が難しいと思われ、東屋などの建築物を設置すべきと思う。端数倶楽部として環境保全活動の価値の高い場所でのボランティア活動を継続して取り組んで欲しい。

 ■今回お世話になった団体

以上

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