【報告】カンボジアの子どもたちにブランコと文具をプレゼント
10月31日から11月4日の期間カンボジアを訪れ、2004年に校舎を寄贈したプンプリャオン小学校にブランコ2台と文具を寄贈しました。参加者は12名。寄付先であるNGO「JHP・学校をつくる会」の協力のもと、現地の子どもたちと交流を深めました。
校舎寄贈からの変化
2004年に校舎が寄贈される前、プンプリャオン小学校が所在する地域の就学率はわずか10%でした。しかし、寄贈後、就学率は60〜70%に向上し、現在では約350名の生徒が学んでいます。カンボジアの小学校は午前と午後に分かれて生徒が入れ替わる2部制を採用しており、給食はないものの、フルーツやジュースを販売する「購買」が学校を訪れます。
就学率は上がったものの、義務教育の終了率はまだ低く、特に中等教育の修了率が40%と課題を抱えています。
新しいブランコの設置
2016年に寄贈したブランコが老朽化し使えなくなったとの報告を受け、今回の訪問では新たにスチール製の頑丈なブランコを2機設置しました。子どもたちの遊び場に新たな喜びを届けることができました。
カンボジア上陸(1日目)
深夜便で羽田を出発し、タイ経由で朝10時にプノンペンに到着。JHPの水野さんとドライバーさんに迎えられ、まずは一路カンボジア支店へ。
石井支店長からカンボジアの現地事情や営業状況を聞いた後、トゥールスレン博物館でポル・ポト政権の悲劇と教育への影響を学習。続いてJHPカンボジアオフィスを訪問し、ラスさんとヤンさんが合流。一行はさらに賑やかになり、首都プノンペンからコンポンチャム州へ移動した。
ブランコ設置と交流(2日目)
コンポンチャム州のホテルから車で約1時間のプンプリャオン小学校で、事前にJHPスタッフが掘った穴にブランコを設置。セメントを混ぜ石と共に土台を固め、子どもたちも作業を手伝い笑顔あふれる時間に。作業の合間には遊びに誘われたり、花束や花輪を贈られるなど交流も楽しんだ。
寄贈式と文具プレゼント(2日目)
ブランコの土台が固まった2日目に座面と寄贈プレートを設置し完成。校庭で子どもたちを並ばせ寄贈式を行い、副校長の挨拶に続き宮脇リーダーがスピーチ。文具を一人ひとりに手渡すと、多くの子どもたちが日本語で「ありがとう」と言ってくれ、その言葉が強く心に残った。
子供達との交流の時間
折り紙や紙飛行機、手裏剣作り、「だるまさんが転んだ」「綱引き」「縄跳び」など日本の遊びを子どもたちと楽しみました。日本語は子どもたちがすぐ覚える一方、日本人はクメール語発音に苦戦し指導を受ける場面も。言葉より身振りや雰囲気で遊びは十分成立し、ゴム跳びや鬼ごっこなど多彩な遊びを満喫。活動には体力が必須だと実感しました。
プンプリャオン小学校よりいただいた感謝状
食文化の体験
学校を後にした後は、「Nom popok(ノムポポ)」さんのお菓子工房を訪れ、食育活動にも触れました。お土産には、コオロギを使ったクッキーを購入しました。高いタンパク質含量を誇るコオロギは、今後の食材として注目されています。地元の食文化にも触れ、貴重な体験をしました。
参加者の感想(アンケートより抜粋)
- 端数倶楽部の活動を知り、子どもたちの笑顔や「ありがとう」が忘れられない貴重な経験となった。教育環境づくりや農業DX支援の重要性も感じた。
- ポルポト政権による虐殺の事実に衝撃を受け、現在も危うさが潜むことを実感。
- 子どもたちから花束や手作りアクセサリー、プレゼントをもらい、一生の宝物となった。
- 厳しい環境下で何事も挑戦する子どもたちの姿に感銘を受け、「足るを知る者は富み」の言葉を実感。
- 多くのもてなしを受け、次回参加は安易に言えないが、学びを今後の人生で形にして貢献したいと思った。
- 子どもたちが積極的に歓迎し、笑顔やプレゼント、遊びへの誘いで訪問を喜んでくれた姿に感動。訪問の意義を実感。
- 参加目的は価値観を広げることで、他部署との交流や人脈づくりも楽しみにしていた。
- 土木作業、子どもとの触れ合い、歴史的な場所訪問など全てが初体験で刺激的な時間だった。
- カンボジアの人々が生きるために働く姿が印象的で、悲しい歴史を知った後だからこそ深く心に残った。
- 子どもたちの笑顔を忘れず、勉強を通じて未来を切り開いてほしいと願った。教育の重要性を再認識。
- 少年がペンダントのハーモニカを吹き喜ぶ姿を見て、自分も幸せを感じ、その恩返しができていれば幸せだと思った。
終わりに
カンボジアの子どもたちが学校を好きになって楽しく勉強ができるよう支援する目的でしたが、逆に自分たちが笑顔とたくさんの輝く思い出をもらって帰ってきていました。
すでにみんな学校が大好きで好奇心旺盛で、言葉の壁など関係なく遊べる豊かな心を持っていました。
カンボジアに限らず、世界中の子どもたちには良い環境で勉強する権利を持っており、正しい知識を身につけて平和な社会をつくってほしいと願います。参加いただいた皆さん、協力いただいたJHP・学校をつくる会のスタッフの皆さん、小学校の教員の皆さんのおかげで無事に活動を終えることができました。メンバーや子供たちの最高の瞬間を写真に収めてくれた撮影担当メンバーにも心から感謝しています。ありがとうございました。これからも端数倶楽部では楽しく社会貢献ができるイベントを企画してまいります。皆さんのご支援・ご参加をお待ちしています。